導入企業 1 有限会社本田商店


   改善活動取り組みの背景

 有限会社本田商店(代表取締役社長 本田繁 従業員39名)は島根県雲南市に位置し、日本三大そばの一つ出雲そば(他に長野県・戸隠そば、岩手県・わんこそば)を製造・販売している設立は昭和26年で創業90年を超え、出雲そばを製造している企業としては最大手の企業である。

 改善活動(2S活動)の取り組みは、7年前より現社長の本田氏(当時専務)が中心となりスタートした。製造現場・事務所等全ての部部門で3定管理(定位置・定品・定量)を徹底し、一定の成果を得てきた。4年前本田氏が代表取締役社長に就任すると、更にこの活動を経営効果に繋げようとPEC協会に入会し、本格的に改善活動をスタートした。

 「売れに合わせて作る」を旗印に、全員参加での取り組みとなった。



   朝礼時「やるぞコール!」

 改善活動スタートにあたり、社長自らPEC協会で開催している「工場経営研究講座」を受講した。研修の中で、改善先進企業での改善実践を経験し、改善に取り組まれている様々な経営者の講和を拝聴し自社に生かしていった。

 この経験を従業員にも経験させたいと、「トレーナー養成講座」「作業改善研究講座」「女子リーダー養成講座」に順次派遣し、改善の仲間を増やした。現在、講座修了生は従業員の約1/3となり、このメンバーが中心に日々改善に取り組んでいる。

 朝礼時行われる「やるぞコール」は今や定番で仕事・改善を始めるにあたり「やってみてから考えろ!」は合言葉となっている。



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  ピロー包装機をインライン

 具体的な改善事例を紹介する。

 メインである生麺ラインは、ミキシング~圧延~切出し~熟成~計量・個袋詰~殺菌~冷却~包装~箱詰めを経て完成となる。このラインでの問題点は冷却後、包装形態が多岐にわたる(ピロー包装、個包装、ギフト包装等)為、一度コンテナに取り置きし、出荷に合わせれ梱包を行っていた。その仕掛品は1週間分にも及んでおり、ムダな運搬・管理費が発生していた。

 そこで手始めとして梱包形態の約70%を占めるピロー包装を冷却機に間締めし、インライン化をおこない同期化生産出来る様にした。この事により、ムダな取り置き・運搬産業がなくなり、その作業に携わっていた作業者1名の活人に繋がった。       


   フレキシブルラインへの挑戦

 次に行った改善は、残り30%の包装形態である、個包装、ギフト包装もインライン化である。

 ピロー包装機の横にターンテーブルを設置し、その周りに個包装・ギフト包装用の作業台を配置させる事により、ピロー包装以外でもインラインで包装出来る様になった。(フレキシブルラインと命名)この事により冷却後の仕掛品を全廃することが出来きた。

 これらの改善により活人3名、仕掛品削減1週間分という成果を得られた。

 この成功事例を乾麺ライン、パスタラインにも応用し、製麺ラインで中間仕掛品は一掃出来た。

     

       原単位による一元管理へ

 製麺ラインで一定の成果を得た後、次の課題は棟にある製粉工場である。製粉工程では、まとめて作る方が効率的という認識で、仕掛品は1週間分にも及んでいた。そこで製麺ラインと同期化すべく、ミキサーでそば粉と小麦粉を混ぜる単位(1コネ25キロ)を原単位とし、製粉工程でも1コネづつ製粉を行うようにした。又、作業者の作業負担を無くすため壁を取り払い、設備の間締めを行いう事で、ムリなく繰り返し作業が出来る様にした。

この事により、工場内が1コネ単位で一元管理出来る様になり、製粉工場と製麺工場の仕掛品は2時間分まで減少した。製粉~製麺~梱包までのリードタイムは7日から4時間となり大きな成果を得る事が出来た。

  

        全員で生み出した成果

 全員参加で取り組んだこの約3年間で、得られた成果はトータル活人18名(全従業員の46%)活スペース約400㎡仕掛品削減18日分(約3000万円)であった。

 経常利益も2016年の赤字から8%へとV字回復を果たした。

 これは、社長が覚悟を決めてトップダウンで取り組んだ事は言うまでもなく、研修で改善の経験を積み改善出来る仲間が増えた事が大きな要因であった。

 今後も更に「全員参加」で売りに合わせて作れる工場にへと設備改善も視野に入れて進めていく。